強誘電性液晶のうち、チルト角が比較的小さく、直交させた2枚の偏光板の下では、複屈折により光の透過が最大、すなわちコントラストは最大となるもの。
薄膜セルを形成することで発現されるが、基板間を1~2μmという非常に狭いギャップとして作らなくてはならず、そのギャップに組み込む液晶の配向処理が非常に難しいこと、さらに、片方のメモリ状態で放置すると、電圧を掛けても他の安定状態に変移しない「焼き付き」という現象を起こすという問題があり、製品として量産されることはこれまでなかった。[1][2]

参考文献:[1]液晶の基礎と応用、松本正一・角田市良、工業調査会 [2]液晶入門、中田一郎・堀文一・向尾昭夫、幸書房