表示原理_液晶方式 – 電子ペーパーコンソーシアム https://epaper.jbmia.or.jp Wed, 31 Mar 2021 08:05:34 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.1.1 強誘電(性)液晶(FLC) https://epaper.jbmia.or.jp/words/%e5%bc%b7%e8%aa%98%e9%9b%bb%ef%bc%88%e6%80%a7%ef%bc%89%e6%b6%b2%e6%99%b6%ef%bc%88flc%ef%bc%89/ Thu, 07 Jun 2007 07:37:29 +0000 https://epaper.jbmia.or.jp/?p=336 自発分極を有し、かつ外部電場の印加でその自発分極の向きが反転する液晶。特定の分子構造を持つカイラルスメクティック液晶が強誘電性を示し、代表例はカイラルスメクティックC(Sc)液晶である。液晶が強誘電性を発現するのに必要な条件を要約すると、次のようになる。
(1)傾斜角(チルト角)を持つスメクティック液晶相を示す。
(2)液晶分子は末端部に不斉炭素を含むカイラル分子から成る。ただしラセミ体を形成しないこと。
(3)液晶分子は分子長軸に垂直方向の双極子モーメントを有する。[1]
強誘電性液晶は液晶材料の中でも比較的規則正しく液晶分子が並んでいて、電場印加時に、高速光スイッチング現象(通常1msを切る)やメモリ現象(電場を切っても分子配向が維持される)などの電気光学現象が見られ、これらを強誘電性電気光学効果と呼ぶ。電場無印加時の初期分子配列の相違から非メモリ(単安定性)型とメモリ(双安定性)型に大別される。
強誘電性液晶の双安定性を表示に応用する場合、液晶化合物(一般には混合物として使用される)のチルト角の大きさによって、複屈折型と、二色性色素を添加するゲスト・ホスト型の二通りに分類される。[2]
06年、シチズン時計が強誘電液晶を使ったメモリー性パネルの開発を発表している。

参考文献:[1]液晶の基礎と応用、松本正一・角田市良、工業調査会 [2]液晶入門、中田一郎・堀文一・向尾昭夫、幸書房
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高分子分散強誘電液晶 https://epaper.jbmia.or.jp/words/%e9%ab%98%e5%88%86%e5%ad%90%e5%88%86%e6%95%a3%e5%bc%b7%e8%aa%98%e9%9b%bb%e6%b6%b2%e6%99%b6/ Mon, 07 May 2007 07:48:55 +0000 https://epaper.jbmia.or.jp/?p=354 強誘電液晶(別項参照)を特殊なポリマーによるネットワーク構造体内に分散させたもの。高分子分散液晶と同様の技術。NHK技術研究所では、分子配向を伴う光重合相分離法により、共有電液晶内に分散したモノマーを光重合させた上で凝集させ繊維状にして、樹脂フィルムを用いたパネルを試作している。

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高分子分散液晶(PDLC) https://epaper.jbmia.or.jp/words/%e9%ab%98%e5%88%86%e5%ad%90%e5%88%86%e6%95%a3%e6%b6%b2%e6%99%b6%ef%bc%88pdlc%ef%bc%89/ Mon, 07 May 2007 07:46:07 +0000 https://epaper.jbmia.or.jp/?p=352 液晶層中に特殊なポリマーによるネットワーク構造体を形成させたもの。ポリマーネットワークの作用により、液晶分子の配列が不規則な状態を誘起して光を散乱させる。この散乱は、紙がセルロース繊維による光の散乱反射で白さを発現しているのに原理が類似しており、結果として紙に近い「白さ」を発現することができるとされている。電圧を印加することで、液晶分子を電界方向に配列させると、光が散乱されず、透明を呈する。裏面に光吸収層(黒色層)を設けることで、この時に黒を呈することができ、結果として白黒表示が可能となる。[3]
<製法>重合性化合物またはポリマーと液晶が均一分散された溶液で相分離を起こさせ、ポリマーと液晶を2相分離して複合膜を調整する。液晶層中に形成される微細なポリマーネットワーク構造を600nm~700nmに制御された網目サイズとすることで、入射光の反射効率を最大にすることができる。

関連サイト:http://www.sophia-it.com/
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マイクロカプセル化コレステリック液晶 https://epaper.jbmia.or.jp/words/%e3%83%9e%e3%82%a4%e3%82%af%e3%83%ad%e3%82%ab%e3%83%97%e3%82%bb%e3%83%ab%e5%8c%96%e3%82%b3%e3%83%ac%e3%82%b9%e3%83%86%e3%83%aa%e3%83%83%e3%82%af%e6%b6%b2%e6%99%b6/ Mon, 07 May 2007 07:43:22 +0000 https://epaper.jbmia.or.jp/?p=350 コレステリック液晶(別項参照)をマイクロカプセル化してポリマー中に分散させたもの。富士ゼロックスが光電変換層と組み合わせた光書き込み型シートを学会や展示会で発表している。

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複屈折型強誘電性液晶 https://epaper.jbmia.or.jp/words/%e8%a4%87%e5%b1%88%e6%8a%98%e5%9e%8b%e5%bc%b7%e8%aa%98%e9%9b%bb%e6%80%a7%e6%b6%b2%e6%99%b6/ Mon, 07 May 2007 07:42:40 +0000 https://epaper.jbmia.or.jp/?p=348 強誘電性液晶のうち、チルト角が比較的小さく、直交させた2枚の偏光板の下では、複屈折により光の透過が最大、すなわちコントラストは最大となるもの。
薄膜セルを形成することで発現されるが、基板間を1~2μmという非常に狭いギャップとして作らなくてはならず、そのギャップに組み込む液晶の配向処理が非常に難しいこと、さらに、片方のメモリ状態で放置すると、電圧を掛けても他の安定状態に変移しない「焼き付き」という現象を起こすという問題があり、製品として量産されることはこれまでなかった。[1][2]

参考文献:[1]液晶の基礎と応用、松本正一・角田市良、工業調査会 [2]液晶入門、中田一郎・堀文一・向尾昭夫、幸書房
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反強誘電性液晶 https://epaper.jbmia.or.jp/words/%e5%8f%8d%e5%bc%b7%e8%aa%98%e9%9b%bb%e6%80%a7%e6%b6%b2%e6%99%b6/ Mon, 07 May 2007 07:41:43 +0000 https://epaper.jbmia.or.jp/?p=346 一般的なTN(Twisted Nematic)液晶とは異なり、電界に対する応答性や、電界を解除した際の戻り特性が優れているため、高速な画面書き換えが可能。また、IPS(In-Plain Switching:光軸に対して垂直方向に分子が回転すること)を用いるため、横電界の影響が少ないため、画素が接近しても干渉しにくい。

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コレステリック液晶 https://epaper.jbmia.or.jp/words/%e3%82%b3%e3%83%ac%e3%82%b9%e3%83%86%e3%83%aa%e3%83%83%e3%82%af%e6%b6%b2%e6%99%b6/ Mon, 07 May 2007 07:39:56 +0000 https://epaper.jbmia.or.jp/?p=342 液晶状態の一つ。語源は、コレステロールの水酸基をハロゲンで置換したハロゲン化合物や脂肪酸、炭酸とのエステル化合物などのコレステロール誘導体の多くが液晶性を有することにある。コレステロール誘導体に限らず、分子内に不斉炭素を有し、かつネマティック液晶構造を形成するのに都合の良い幾何学的な分子の形を持つ化合物はコレステリック液晶となりうる。[1]広義では、カイラルネマチック液晶(別項参照)を含む。
コレステリック液晶は、棒状の分子が幾重にも重なる層状の構造を有し、層内では、分子配列が一定の方向に揃った平面が、その配列方向を少しずつ捩れながら積み重なった螺旋構造(コレステリック相)を有している。この捩れの軸をヘリカル軸といい、捩れのピッチをヘリカルピッチと呼ぶ。ヘリカルピッチにより、特定の波長の光を反射することができる。
コレステリック液晶を基板で挟むと、ヘリカル軸が基板に垂直に並ぶプレーナ状態を示す。これに電圧印加などを行うと、ヘリカル軸が基板と平行になり(フォーカルコニック状態)、光を透過する。更に電圧を掛けると、電界方向に液晶分子が並び(ホメオトロピック状態)、この状態から急激に電界を除去すると、プレーナ状態に戻る。背面に黒色層を設けることで、フォーカルコニック状態で黒色を呈することが可能になる。プレーナ状態、フォーカルコニック状態とも、電界を除去しても安定であり、メモリー性を有する電子ペーパーを作成することができる。なお、他に、温度変化による色彩変化するもの、ガスなどに感応して色彩変化するもの、がある。
更に、ヘリカルピッチを調整することで、種々の色を呈することが可能であるため、フルカラー表示も可能である。
単色の表示パネルはナノックス株式会社などが開発。2006年には、富士通研究所がフルカラーパネルを展示会等で参考出品している。

参考文献:[1]液晶の基礎と応用、松本正一・角田市良、工業調査会
関連サイト:http://jp.fujitsu.com/
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高分子強誘電性液晶 https://epaper.jbmia.or.jp/words/%e9%ab%98%e5%88%86%e5%ad%90%e5%bc%b7%e8%aa%98%e9%9b%bb%e6%80%a7%e6%b6%b2%e6%99%b6/ Mon, 07 May 2007 07:39:05 +0000 https://epaper.jbmia.or.jp/?p=340 高分子化合物の鎖に、低分子の強誘電性液晶(別項参照)分子を結合させた、側鎖型液晶ポリマー。[2]
メモリ性を有する。出光興産が開発を行っていた。

参考文献:[2]液晶入門、中田一郎・堀文一・向尾昭夫、幸書房
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ゲスト・ホスト型強誘電性液晶 https://epaper.jbmia.or.jp/words/%e3%82%b2%e3%82%b9%e3%83%88%e3%83%bb%e3%83%9b%e3%82%b9%e3%83%88%e5%9e%8b%e5%bc%b7%e8%aa%98%e9%9b%bb%e6%80%a7%e6%b6%b2%e6%99%b6/ Mon, 07 May 2007 07:38:18 +0000 https://epaper.jbmia.or.jp/?p=338 強誘電性液晶のうち、比較的大きく、1枚の偏光板と色素の二色性を利用して偏光軸と吸収軸を一致、もしくは直交させることにより最大のコントラストが得られるもの。量産性の点で有利な4~16μmの厚いセルギャップにおいて安定した双安定性メモリ状態が得られている。
日立製作所などで開発されていた。[2]

参考文献:[2]液晶入門、中田一郎・堀文一・向尾昭夫、幸書房
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カイラルネマチック液晶(CN液晶) https://epaper.jbmia.or.jp/words/%e3%82%ab%e3%82%a4%e3%83%a9%e3%83%ab%e3%83%8d%e3%83%9e%e3%83%81%e3%83%83%e3%82%af%e6%b6%b2%e6%99%b6%ef%bc%88cn%e6%b6%b2%e6%99%b6%ef%bc%89/ Mon, 07 May 2007 07:36:37 +0000 https://epaper.jbmia.or.jp/?p=334 コレステリック環を持たないが、コレステリック液晶相を示す液晶材料である。層状の構造を持たずに平行配列しているネマチック液晶に、液晶分子にねじれを付与するカイラル剤と呼ばれる添加剤を加え、旋光性を持たせることで作製することができる。コレステリック環を有するコレステリック液晶(別項参照)に比べ、化学的、光化学的安定性が格段に優れている。[1]
1998年には、ミノルタ株式会社(現コニカミノルタホールディングス株式会社)が、フルカラーパネルを学会で発表。2005年、松下電器産業株式会社が発売した電子書籍「Σブック」に採用されている。

参考文献:[1]液晶の基礎と応用、松本正一・角田市良、工業調査会
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